近年は虫歯治療の技術が進歩し、多くの症状は歯科医院への通院で改善できるようになりました。
しかし一方で、
という不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、金属アレルギーでも受けられる虫歯治療法について紹介していきます。
金属アレルギーとは?
金属アレルギーとは、その名の通り金属が原因で生じるアレルギーのことを言います。
ピアスやネックレスといった金属製品を身に付けたときに発症するという事例が多いです。
金属アレルギーの発症しやすさは体質による部分が多く、ピアスやネックレスを少し身に付けただけで症状が出る人もいれば、生涯無縁の人もいます。
金属アレルギーの原因
金属アレルギーの原因は金属との接触ではなく、金属から溶け出した成分の吸収です。
金属が汗や体液に触れると、微量の金属成分が溶け出します。
溶け出した金属成分は、粘膜と結合して今まで体内になかったタンパク質を生成。
このタンパク質に対して体が拒否反応を起こすのが金属アレルギーです。
金属アレルギーの症状
金属アレルギーの症状には、体の痒みや腫れなどがあります。
ひどいときには発熱や倦怠感などの症状が出ることも。
なお金属製品を身に付けるのをやめれば、症状は時間とともに消えていきます。
自分が金属アレルギーかどうかを知るには?
自分が金属アレルギーかどうかを知るためには、パッチテストを行います。
複数の金属を溶かした薬を皮膚に貼り、1週間ほど様子を見ることで反応のある金属を見分けるという方法です。
パッチテストは基本的には病院の皮膚科で受けます。
歯科医院でパッチテストを実施している場合もあるので、一度確認してみましょう。
虫歯治療で金属アレルギーが発生することもある
虫歯治療で使われる詰め物には金銀パラジウム合金や金合金といった金属が使われることが多く、これら金属が原因で金属アレルギーが発症することもあります。
また金属アレルギーは長期にわたる金属成分の吸収で発生することも。
子供の頃にした詰め物が原因で、大人になってから金属アレルギーが発症するというケースも珍しくありません。
虫歯治療の前にパッチテストを受けておけば、歯科医院でも金属アレルギーが発症しないよう対策が行えるので、念のため診察を受けることをおすすめいたします。
口内の金属が金属アレルギーの原因となっている場合、全身に症状が出るパターンもありますが、口内炎や口唇炎などの口周りに症状が出るパターンも多いです。
ひどい場合は味覚症状につながる場合も。
いずれにせよ毎日続くのは苦痛なので、異常を感じたら医師へ相談しましょう。
金属アレルギーでも受けられる虫歯治療
口内の詰め物はピアスやネックレスと違い、症状が出てから簡単に取り外せないのが悩ましい部分です。
しかし金属アレルギーの人でも、以下のような方法であれば虫歯治療が行えます。
また過去の虫歯治療が原因で金属アレルギーが発症した人も、後からの置き換えが可能なので、歯科医院にて相談してみましょう。
セラミックを使った虫歯治療
セラミックは陶器素材でできており、自然な透明感が特徴です。
時間が経っても変色や着色がなく、見た目を気にする人でも本物の歯に近く仕上げられます。
露出が多い前歯に適用しても違和感がありません。
ただし金属よりも強度は落ちるため、治療後は注意が必要です。
補足
最近では、セラミックの中でもジルコニアという新素材が注目を集めています。
通常使われるセラミックと違い、強度が高く、透明度も高く見た目がいい。さらに、変色しにくい特長があります。
メタルボンドを使った虫歯治療
メタルボンドとは、メタルフレームと呼ばれる土台にセラミックを焼き付けたものです。
土台がある分、セラミック単体よりも強度が強いのが特徴。
時間が経っても変色や着色がないのはセラミック単体と共通ですが、透明感についてはやや劣ります。
遠目で見れば全く分からないレベルですが、近くでよく見ると若干の違和感は否めません。
見た目よりも強度を優先したい人におすすめの治療方法です。
なお上記の治療法はどちらも保険適用外です。
普通の虫歯治療よりも治療費が高くなるのは覚悟しておく必要があります。
ただしセラミックとメタルボンドのどちらにも、複数のグレードが存在します。
保険適用外でも安価で治療できることもあるので、歯科医院にて相談してみましょう。
まとめ
虫歯治療と金属アレルギーは切っても切り離せない存在です。
しかし最近の虫歯治療においては、金属アレルギーの発症を避ける技術も確立されています。
「金属アレルギーだから虫歯治療はできない」とためらう必要はありません。
まずは歯科医院にて診察を受けてみましょう。