治療費が高額になりがちなインプラントですが、実は医療費控除の対象となるため、条件さえ満たせば還付金が受け取れます。
少しでも負担を減らすために、受け取れる還付金はきっちりと受け取っておきたいですよね。
一方でインプラントにおける医療費控除は上限なく受けられるわけではなく、限度額があることを知っていましたか?
本記事では、インプラントにおける医療費控除の限度額について解説していきます。
還付金を受け取る方法についても紹介しているため、これからインプラント治療を受けようとしている人はぜひ参考にしてください。
医療費控除とは
医療費控除とは、1年間を通じて支払った医療費が一定額を超えた場合、納税時に控除を受けられるシステムのことです。
会社勤めの場合は給与が支給される時点で税金が差し引かれるため、後から還付金という形でお金が戻ってきます。
自営業の場合は確定申告をして税金を納める際、税金が少なくなります。
医療費控除を受けるためには、支払った医療費の総額が10万円を超えていることが条件です。
なお、この「10万円」は生計を同一する家族の分を合算して申請することもできますし、別々に申請することもできます。
医療費控除の限度額
医療費控除の対象となる医療費の限度額は、年間で200万円です。
なおこの200万円には、インプラント以外で通院した場合の医療費も含みます。
200万円を超えてしまった分の医療費は控除の対象にならないので注意しましょう。
インプラント治療を受けるなら、医療費控除は積極的に利用すべき
インプラントは健康保険の対象外であり、基本的に自由診療です。
加えて大掛かりな治療が必要な場合も多いため、医療費が10万円を超えるケースも多々あります。
インプラント治療における経済的負担を減らすためにも、医療費控除という制度についてしっかり理解しておきましょう。
インプラントの医療費が限度額を超えそうなときは?
インプラントの医療費の総額が限度額200万円を超えそうなときは、年をまたいで治療を受けることを検討しましょう。
医療費控除はその年の1/1~12/31にかかった医療費の総額で計算するため、年をまたぐことで計算をリセットできます。
特に複数箇所の歯を長期的に治療していく場合は、治療のタイミングを検討するのも1つの選択肢です。
注意点
年をまたいで治療をしたとしても、治療費を全額前払いしていた場合は支払いをした年が医療費控除の対象年になります。
医療費控除を受ける方法
医療費控除を受ける方法は、会社勤めの人と自営業の人とで異なります。
ただし、いずれの場合も領収書は必須なので必ず受け取っておきましょう。
会社勤めと自営業、それぞれの場合の医療費控除を受ける流れを解説していきます。
会社勤めの場合
会社勤めの場合、年末調整の際に年間で支払った医療費を報告し、必要書類を提出すると、会社側で医療費控除の手続きを行ってくれます。
提出する書類は会社によって異なりますが、領収書を求められることが多いです。
控除された税金分は、還付金として給与と一緒に振り込まれます。
還付金が振り込まれるタイミングとしては、年末調整が12/31で締めとなるので、その数ヶ月後となるのが一般的です。
自営業の場合
自営業の場合、確定申告の際に「医療費控除の明細書」を提出します。
医療費控除の明細書のフォーマットは国税庁のホームページからダウンロードしましょう。
なお2017年以降、領収書の提出は不要となりましたが、5年間自宅で保管しておくことが義務付けられています。
確定申告の書類とともに大切に保管しておきましょう。
併せて知っておきたい「高額療養費制度」について
医療費控除と似たような制度として、「高額療養費制度」というものもあります。
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、1ヶ月間で発生した医療費が高額になった際、自己負担額に上限を設けて負担を軽減する制度のことです。
自己負担額の上限を超えた際は、後から払い戻しが受けられます。
医療費控除との違いとしては、医療費控除は税金を軽減するための制度であるのに対し、高額療養費制度は自己負担額を軽減するための制度であるという点です。
自己負担額の上限は、所得や実際にかかった医療費によって異なります。
詳しい金額は全国健康保険協会の「高額療養費簡易試算」にて計算が可能です。
高額療養費制度はインプラント治療で使える?
高額療養費制度は自由診療に対しては対象外なので、残念ながらインプラント治療では使えません。
ただしインプラント治療以外にも持病の治療を行なっている場合は、そちらに対して高額療養費制度を適用することで、トータルの医療費を軽減できます。
まとめ
インプラント治療は治療費が高額になりがちですが、医療費控除を受けることで負担を軽減できます。
ただし上限なく医療費控除を受けられるというわけではなく、年間で200万円という限度額も存在します。
もし限度額200万円を超えそうなときは、年をまたいで治療スケジュールを組むといった工夫も大切です。
医療費控除を上手く利用して、インプラント治療の経済的な負担を軽減しましょう!