インプラントで取り戻した歯は、いつまでもキレイに保ちたいですよね。
しかしインプラントのメンテナンスを怠ると、グラつきや脱落が生じたり、インプラント周囲炎が発生したりもします。
本記事では、インプラントをメンテナンスする際の流れや費用について解説します。
インプラントを実施した人は必見の内容です。
インプラントにメンテナンスが必要な理由
インプラントにメンテナンスが必要な理由は、噛む機能を低下させないためです。
インプラントは人工の歯とは言え、キレイにしていないと周辺に歯垢が溜まります。
菌が増殖すると、やがては「インプラント歯周炎」を引き起こします。
インプラント歯周炎の症状は、腫れや出血、歯肉が退縮などさまざまです。
最終的にはインプラントがグラつき、脱落を起こすことも。
インプラントを長くにわたって使うためにも、メンテナンスは必要です。
歯科医院でインプラントをメンテナンスする際の流れ
インプラントを実施した後は、定期的に歯科医院に通院し、メンテナンスを実施します。
具体的には、以下のような流れです。
①口内の状態をチェック
インプラントの破損や不具合がないかに加え、歯肉の腫れや炎症がないかなどをチェックします。
インプラント歯周炎の症状がみられる場合は、治療が必要です。
②噛み合わせのチェック
咬合紙と呼ばれるチェック用のカーボン紙を使い、噛み合わせをチェックします。
噛み合わせのバランスが崩れている場合は、調整のために人工歯を削ります。
③レントゲン撮影
レントゲン写真から、以下のようなチェックを行います。
・インプラント部周辺の歯の状態
・歯槽骨の炎症具合
・歯石の蓄積具合
・虫歯の有無
etc…
異常がある場合は、別途治療を実施します。
④ブラッシング指導
多くの口内トラブルは、ブラッシングで歯をキレイにできていないことが原因です。
インプラントのメンテナンス時は、歯科医師が正しいブラッシングの指導をしてくれます。
インプラントの寿命を短くしないために、正しいブラッシングの方法を身に付けましょう。
⑤歯のクリーニング
ブラッシングでは落とし切れない汚れは、専用の器具を用いてクリーニングを実施します。
具体的には、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれるクリーニングです。
汚れがひどい場合は、人工歯を取り外してクリーニングを実施します。
歯科医院でインプラントをメンテナンスする際の費用
インプラントのメンテナンス費用は、1回あたり3,000〜10,000円程度です。
内容によっては、更に追加の費用が発生することもあります。
決して安くはありませんが、インプラント歯周炎が進行すると、更に大掛かりな施術が必要となります。
歯科医院で指示された頻度で、メンテナンスを実施しましょう。
自宅でできるインプラントのセルフメンテナンス
インプラントのメンテナンスは、自宅で実施できることもあります。
インプラント歯周炎を防止するためにも、以下のようなセルフメンテナンスを実施しましょう。
歯磨きの徹底
インプラントのセルフメンテナンスの基本は、徹底した歯磨きです。
起床時と就寝前に加え、食後も必ず歯磨きを実施しましょう。
歯磨きの方法は、以下を意識してください。
・歯ブラシは「やわらかめ」を選ぶ。
・歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目に向けて45°の角度で立てる
・軽い力で1〜2歯ずつ、1〜2ミリ幅間隔で小刻みに磨く
・食べたら40分以内に歯磨きをする
人工歯の部分はもちろん、歯全体をキレイに磨きましょう。
デンタルフロスで汚れを落とす
歯磨きをしても、歯と歯の間の食べカスを取り切れない場合もあります。
歯と歯の間に食べカスが残ると、歯石が定着し、インプラント歯周炎につながる恐れもあります。
歯と歯の間の食べカスを落とすのに有効なのが、デンタルフロスです。
デンタルフロスなら、細い隙間までキレイにできます。
歯磨きとともに、デンタルフロスでのクリーニングも習慣にしましょう。
マウスウォッシュを使う
マウスウォッシュには、口内を殺菌する効果があります。
口に含んでゆすぐだけなので、手間もありません。
前述の歯磨きやデンタルフロスと併用すると、更にインプラント歯周炎を予防する効果が高まります。
マウスウォッシュを使う際の注意点は、使用後に水で口をゆすがないことです。
マウスウォッシュは口内に残しておいた方が、殺菌効果があります。
刺激のあるタイプだと少しピリピリしますが、毎日繰り返していれば慣れます。
まとめ
インプラント後はメンテナンスを徹底しないと、インプラント歯周炎のリスクが高まります。
定期的に歯科医院へと通院し、メンテナンスを実施しましょう。
また歯科医院でのメンテナンスに加え、自宅でのセルフメンテナンスも大切です。
歯磨きの徹底に加え、デンタルフロスやマウスウォッシュの併用も心掛けてください。
インプラント後のメンテナンスを徹底したうえで、生涯健康な口内を保ちましょう。