歯周病は一昔前までは「不治の病」とさえ言われていましたが、近年はメカニズムが解明されつつあり、早めに気づけば進行を食い止められるようになりました。
しかし一方で、歯周病は痛みなく進行していく病気なので、自分では進行状態に気付きにくいのも事実です。
そこで本記事では、自分で確認できる歯周病のセルフチェックポイントについて紹介します。
歯周病が不安な人はもちろん、現在歯に異常を感じていない人も、チェックしておきましょう。
歯周病とは、どんな病気?
歯周病とは、口内の細菌が引き起こす歯肉炎・歯周炎の総称です。
口内の細菌が歯と歯肉の境目を破壊し、歯の土台を劣化させていきます。
歯周病が進行すると歯がグラグラし、やがては歯が抜け落ちてしまうリスクもあります。
歯周病の何より恐ろしい点は、初期段階では痛みをほとんど伴わないことです。
虫歯のようにズキズキと痛むことはなく、静かに症状が進行していくのが特徴。
痛くないからといって放置しておくと、段々と症状が進行し、気付いたら取り返しがつかない状態になっていることもあります。
よっていかに早い段階で歯周病に気付き、対策できるかどうかが、生涯健康な歯を維持できるかどうかに関わってきます。
歯周病のセルフチェックポイント8項目
以下に示すのは、歯周病のセルフチェックポイントです。
あてはまるポイントが多いほど、歯周病が進行している可能性があります。
「1個でもあてはまる=歯周病」というわけではありませんが、複数個あてはまる人は、歯科医院で診察を受けることをおすすめします。
朝起きると、口の中がネバネバしている
口の中のネバネバはさまざまな原因が考えられますが、歯周病菌もネバネバの原因の1つです。
唾液に歯周病菌が含まれることで、粘り気が生まれます。
朝起きたとき、口の中のネバネバが気になるという人は注意しましょう。
歯磨きをすると、すぐに血が出る
歯磨きの刺激で血が出るということは、歯肉が弱っている証拠です。
歯周病は歯肉を劣化させるため、ちょっとした刺激でも血が出るようになります。
歯磨きのたび血が出るという人は、危険サインかもしれません。
口臭がひどい
歯周病菌が口内で繁殖すると、嫌なニオイを放ちます。
口臭の原因は複数存在しますが、入念に歯磨きをしてもニオイが消えない場合は、歯周病菌が原因となっている可能性があります。
ニオイは自分では気づきにくいかもしれませんが、少しでも心当たりがあるなら、早めに診察を受けておきましょう。
歯肉がむず痒い
歯周病で歯肉が炎症を起こしていると、むず痒さが生じることがあります。
「ムズムズする」「痒い」といった歯の周りの感覚は、歯周病が進行し始めているサインかもしれません。
歯肉が腫れている
歯周病による歯肉の炎症は、腫れも引き起こします。
具体的には、歯肉が前よりも膨らんで見えたり、赤みを帯びたりしている状態です。
歯肉の状態が以前と変わっていないか、鏡を使ってチェックしてみましょう。
硬い食べ物を噛みにくい
歯周病で歯肉が劣化すると、歯を十分に支えられなくなり、食べ物を噛みにくいと感じることがあります。
硬いものを噛みちぎる際、何だか歯に力が入らないと感じる人は、歯周病が進行している可能性が高いです。
以前よりも歯が長く見える
歯周病は歯肉を後退させるため、歯肉の面積が少なくなった分、歯が長く見えることがあります。
鏡を見て、歯の見た目が明らかに変わっているようであれば、早めに歯科医院に相談しましょう。
以前よりも歯と歯の間に隙間がある
歯周病による歯肉の後退は、歯と歯の間の隙間にもつながります。
歯と歯の間に隙間ができると、そこに食べカスが溜まりやすくなるため、歯周病を更に進行させる原因にもなります。
いずれにせよ早めに歯科医院での診察を受け、状態をチェックしてもらうことが大切です。
歯周病の疑いがある場合は、どうすればいいの?
歯周病は早い段階で歯科医院に通院すれば、進行を食い止められます。
上記のセルフチェックリストに複数該当するようであれば、一度歯科医院にて診察を受けておきましょう。
具体的な歯周病治療としては、歯と歯肉の間に入り込んだ歯石を取り除き、歯周病菌が繁殖しない環境を作ります。
これに加えて日頃の正しいブラッシングや食生活を心掛ければ、歯周病の進行を止めることは可能です。
ただし歯周病が末期まで進行していると、抜歯を余儀なくされる場合もあります。
歯周病の疑いがある段階で、早めに診察を受けることが大切です。
まとめ
歯周病は恐ろしい病気ですが、早めに気付けば食い止めることができます。
ただし歯周病は虫歯と違って痛みなく進行するため、自分では気付きにくいのもまた事実です。
本記事で紹介したセルフチェックリストを確認のうえ、少しでも歯周病の疑いがあるようであれば、一度歯科医院での診察を受けておきましょう。