歯は生涯に渡って付き合っていくものなので、いつまでも健康に保ちたいですよね。
しかし健康な歯を脅かすのが歯周病。歯を支える土台が破壊されて抜歯を余儀なくされるリスクがある他、歯周病菌が体内に蔓延することで内臓疾患や血管系の病気に繋がることもあります。また歯周病は「silent disease(無症状疾患)」とも呼ばれ、痛みなく進行していくため、きちんと原因を知り、対策をとれば予防できます。
本記事では、歯周病の原因とその対策について解説していきます。
1日でも早く対策を始め、生涯健康な歯を維持しましょう。
歯周病は、こんなに怖い!
歯周病は歯肉炎・歯周炎の総称で、歯の周りの細菌感染が引き起こす病気です。歯と歯茎の境目が細菌によって破壊され、最悪の場合は抜歯を余儀なくされます。また公益財団法人8020推進財団の「永久歯の抜歯原因調査報告(2018)」によると、成人が歯を失う原因の第1位が歯周病とされています。
歯周病の恐ろしいところは、症状が深刻化するまで痛みが出ないということです。多くの人は、歯が痛いと感じた時に初めて歯科医院に行きますよね。しかし歯周病の場合は痛いと感じた頃には既に歯の土台が破壊され、手遅れとなっている可能性もあります。症状に気づきにくいからこそ、その原因についてしっかり理解し、日頃から対策することが大切です。
こんな症状には、要注意!
歯周病の初期段階は痛みがなく、日常生活に支障こそ及びませんが、その予兆はあります。下記のような症状が複数同時に現れているという人は、歯周病かもしれませんので要注意です。
朝起きると、口の中がネバネバする
口内のネバネバの原因は複数ありますが、歯周病菌が原因の場合があります。特に、起床時に口の中がネバネバすることが多いと感じるときは要注意です。
歯磨きをするたび、出血する
歯周病菌により歯茎が炎症を起こしていると、歯茎が弱くなり、出血しやすくなります。歯磨きをしただけでも出血するのであれば、歯周病の初期症状である可能性が高いです。
歯茎が腫れている
歯周病菌による歯茎の炎症は、腫れにも繋がります。腫れている自覚がない場合でも、以前より食べ物が詰まりやすくなったと感じたときは腫れている可能性があります。
口臭が気になる
歯周病菌が繁殖している際は、強烈に嫌な臭いを放ちます。口臭の原因が内蔵疾患である可能性もありますので、強い口臭が気になる場合は早めに歯科医院へ行ってください。
歯周病に繋がる7つの原因とその対策
歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。歯周病へと発展します。
下記で紹介する7つの事項は、歯垢の定着や増殖を促す原因です。しっかりと対策して、歯周病を予防しましょう。
正しくない方法での歯磨き
磨き残しは歯垢を発生させる最も大きな原因です。歯垢は口の中の汚れや細菌から形成されるので、食べカスの残りなどには要注意です。
【対策】
正しい方法で歯磨きをする
<正しい歯磨きの方法>
- 歯ブラシは「やわかめ」を選ぶ。
- 歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目に向けて45°の角度で立てる
- 軽い力で1〜2歯ずつ、1〜2ミリ幅間隔で小刻みに磨く
- 食べたら40分以内に歯磨きをする
歯並び
歯並びが悪い部分は歯磨きが不十分となりやすく、磨き残しが多くなりがちです。
【対策】
・歯科医院で矯正を行う
・歯間ブラシやデンタルフロスを使う
歯に合っていない被せもの
歯の被せ物のサイズが合っていなかったり、歯と被せ物の間に隙間があったりすると、食べカスが残りやすくなります。丁寧な歯磨きでも取り除けないことがあるので、要注意です。
【対策】
・歯科医院で定期的に健診を受け、チェックしてもらう。
口呼吸
口呼吸が癖になっている人は、口の中が乾燥しがちです。歯周病菌は乾燥した環境下で増殖しやすいので、結果として歯周病の原因となります。
【対策】
・普段から鼻呼吸を意識する
・定期的な水分補給で、口の中を潤す。
喫煙
喫煙は体全体の血管を収縮させるため、歯茎の血流も悪くします。結果として歯周組織の抵抗力を弱め、歯周病が進行しやすくなります。
【対策】
・禁煙する
ストレス
ストレスは体の免疫力を弱めます。歯周病菌に対しても例外ではなく、ストレスが溜まっていると歯周病に抵抗できなくなります。
【対策】
・適度な運動や十分な睡眠を心がけ、できるだけストレスをためないようにする。
偏った食生活
歯や歯茎も体の一部なので、食生活が偏れば自然と弱くなります。栄養が不足していると風邪への抵抗力がなくなるのと同じように、歯周病菌への抵抗力もなくなります。
【対策】
・栄養バランスの良い食事を心掛ける
まとめ
歯周病に繋がる原因と対策について解説しました。記事の中でも解説したように、歯周病は痛みがないうちに進行していくので、その原因について理解した上で早めに対策することが大切。また歯周病を早期発見するためにも、歯科医院における定期的な健診も必須です。生涯に渡って健康な歯を維持するためにも、日頃の歯周病ケアを徹底しましょう。