インプラント治療の普及により、一度歯を失ったとしてもその機能を取り戻せるようになりました。
しかし一方で、インプラント治療はすべての人に適用できるというわけではありません。
そこで本記事では、インプラント治療ができない人の条件について解説します。
インプラント治療の代わりとなる治療法についても紹介するので、これから歯の治療をしようとしている人はぜひ参考にしてみてください。
インプラントとは
インプラントとは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、失った歯を補填する治療法のことです。
比較的新しい歯科医療技術ですが、日々技術研究が行われており、近年は多くの歯科医院にて採用されるようになりました。
インプラントは噛む力の強さや耐久年数の長さが魅力です、
見た目も本物の歯と近く、失う前の歯と同じような感覚で使用ができます。
インプラント治療ができない人
インプラント治療はすべての人に適用できるわけではありません。
具体的にインプラント治療ができない人は、以下のような人です。
※あくまでおおまかな基準なので、実際にインプラント治療が可能かどうかは歯科医師による判断を仰ぎましょう。
骨が弱い人
インプラント治療は顎の骨に人工の歯根を直接埋め込むため、それに耐えうるための良質な骨が必要です。
健康的な成人の骨であれば問題ない場合が多いですが、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や高齢化で骨が弱っていると、インプラント治療が行えません。
成長期前後の子ども
成長期前後の子どもは骨も成長過程にあるため、インプラント治療が行えません。
骨が成長すると、埋め込んだインプラントが不安定になる恐れがあります。
具体的に何歳以上からという決まりはありませんが、18歳前後となり、成長期のピークを過ぎてからと認識しておきましょう。
妊婦
インプラントは治療後、抗生物質や痛み止めを服用することになるので、妊婦の方は治療を受けられません。
抗生物質や痛み止めは、お腹の中の赤ちゃんに悪影響を与える可能性があります。
現在妊娠している人は、出産を終え、体の状態が落ち着いてからインプラント治療を受けましょう。
重度の代謝障害や循環器系疾患を抱えている人
インプラント治療は外科手術であり、体に少なからず負担がかかります。
重度の代謝障害や循環器系疾患を抱えている人は、術中や術後の安全を考慮し、インプラント治療が行えない場合もあります。
まずは自身の健康状態を診断してもらったうえで、インプラント治療へと進むようにしましょう。
虫歯や歯周病の治療が完了していない人
虫歯や歯周病が進行中の人は、インプラント治療が行えません。
理由としては、口腔内感染している部分にインプラントを埋め込んでも、骨とうまく結合しない恐れがあるからです。
虫歯や歯周病の人は、まずは治療を完了させてからインプラント治療を受けましょう。
インプラント治療ができない人のための治療法
インプラント治療ができない人でも、失った歯を取り戻す方法はあります。
具体的には、インプラント治療ができない人でも「ブリッジ」や義歯(入れ歯)といった治療法であれば選択可能です。
それぞれの治療法について詳しくみていきましょう。
ブリッジ
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を土台とし、橋をかけるように人工の歯を固定する治療法です。
ブリッジを行うためには、失った歯の両隣を削り、形を調整する必要があります。
人工の歯は両隣の歯に強固な接着剤で固定するため、義歯(入れ歯)のように外れることはありません。
噛む力はインプラントに劣るものの、後述する義歯(入れ歯)よりは強いです。
見た目についても、近くで見なければさほど違和感はありません。
ただしブリッジの場合は、両隣の歯が健康でも削らなければいけないということを覚えておきましょう。
インプラント治療ができないけど、なるべく元と同じような歯を手に入れたい人におすすめの治療法です。
義歯(入れ歯)
義歯(入れ歯)は失った歯の両隣の歯にバネをかけ、人工の歯を固定します。
他の歯を削ることなく人工の歯を固定できるのが、ブリッジとの大きな違いです。
治療そのものの負担が少ないので、気軽に選択ができます。
ただし義歯(入れ歯)の場合は、噛む力は元の歯と比べてだいぶ弱くなるのがデメリットです。
また金属部分が目立つため、見た目にこだわる人には向きません。
噛む力の弱さや見た目について理解したうえで、手軽に歯を復元したいという人におすすめです。
まとめ
インプラントは失った歯の機能を取り戻すのに有効な治療法ですが、できない人もいます。
本記事ではインプラントができない人の条件について解説していますが、実際に自分が治療を受けられるかどうかの判断は、歯科医師による診断が必要です。
また仮にインプラントができない場合でも、代わりとなる治療法は存在します。
まずは歯科医院にて相談し、最適な治療法を選択しましょう。