近年は矯正歯科技術の進歩で、歯並びは簡単に改善できるようになりました。
しかし一方で、
「矯正歯科中は虫歯になりやすい」
という噂を聞いたことはありませんか?
虫歯のリスクがあると考えると、矯正歯科を受けるのがちょっと不安ですよね。
そこで本記事では、矯正歯科中の虫歯予防法について解説します。
これから矯正歯科を受けようとしている人は、ぜひ参考にしてください。
矯正歯科中は虫歯になりやすい!
矯正歯科中は、通常時よりも虫歯になるリスクが高まります。
これは矯正装置を歯に付けることが原因です。
矯正装置が歯に付いていると、歯ブラシがしっかり歯にあたりません。
また矯正装置の隙間に食べカスが挟まり、それを放置することで虫歯になることも。
矯正歯科中に虫歯になった場合は、進行状況にもよりますが、矯正を中断しなければいけないこともあります。
場合によっては、矯正装置を全て取り外してからの虫歯治療が必要です。
矯正装置を取り外すとなると、矯正期間が長引くのに加え、費用も追加で発生します。
矯正歯科中は虫歯にならないよう、いつも以上に予防を心掛けることが大切です。
矯正歯科中に虫歯にならないための予防法
矯正歯科中は虫歯になりやすいので、以下の予防法を実施しましょう。
・歯科医院で口内ケアを受ける
・マウスウォッシュ液で口内を殺菌する
・正しい食生活を心掛ける
・「スウェーデン型歯磨き法」を実施する
・ワンタフトブラシを活用する
それぞれの予防法について、詳しく解説していきます。
歯科医院で口内ケアを受ける
矯正歯科中は歯磨きだけでは歯を綺麗にしきれない可能性が高いので、歯科医院で口内ケアを受けることも大切です。
具体的には、汚れが原因で発生する歯石を落としてもらったり、フッ素で歯をコーティングしてもらったりします。
「歯科医院=虫歯治療や矯正をしてもらう場所」というイメージを持っている人も多いですが、実は口内ケアだけでも実施してもらえます。
定期的に歯科医院で口内ケアを受けて、矯正歯科中の虫歯リスクを減らしましょう。
マウスウォッシュ液で口内を殺菌する
マウスウォッシュ液も、矯正歯科中の虫歯予防には有効です。
矯正装置が歯に付いていると磨き残しが発生しがちですが、マウスウォッシュ液を使えば口内を清潔に保てます。
ただしマウスウォッシュ液を使ったからといって、歯磨きが不要になるわけではありません。
あくまで歯磨きの補助という位置付けで使いましょう。
正しい食生活を心掛ける
矯正歯科中は、今まで以上に食事の栄養バランスに気を配りましょう。
歯も体の一部なので、栄養バランスが崩れると虫歯のリスクは高まります。
具体的には、以下の栄養素は歯に関係が深いので、積極的に摂取すべきです。
・タンパク質
・カルシウム
・ビタミン
好きな物しか食べない人やインスタント食品が中心な人は、上記の栄養素が不足しがちです。
矯正歯科中は食事面からも虫歯予防を心掛けましょう。
「スウェーデン型歯磨き法」を実施する
スウェーデン型歯磨き法は、世界的にも虫歯患者数が少ないことで知られるスウェーデンで実施されている歯磨きの方法です。
具体的には、以下のような方法で歯磨きを実施します。
①フッ素配合の歯磨き粉を使い、2分間程度歯磨きを行う
②泡を吐き出した後は、口をゆすがない(どうしてもゆすぎたい場合は少量の水で行う)
③歯磨き後、2時間は飲食をしない
歯磨き後に口をゆすがず、フッ素を口の中に残すのがポイントです。
実際スウェーデン型歯磨き法を実施することで、通常の歯磨きをした場合に比べて40%以上の虫歯予防効果があることも分かっています。
スウェーデン型歯磨き法を実施して、虫歯を予防しましょう。
ワンタフトブラシを活用する
ワンタフトブラシとは通常の歯ブラシよりもヘッドが小さく毛先がまとまった歯ブラシをいいます。
スウェーデンでは磨き残しを防ぐデンタルグッズとしてよく利用されています。
矯正中は器具が邪魔をして磨き残しが多くなりがちですが、ワンタフトブラシを活用すると通常の歯ブラシでは届かない器具の間や歯と歯の間をピンポイントで磨くことができ磨き残しを減少させることができます。
矯正歯科を始める前に、虫歯を完治させておくことも大切
前述の通り、矯正歯科中は虫歯になるリスクが高まります。
軽度の虫歯でも、矯正歯科を始めたことがきっかけで進行が進むケースも考えられます。
また矯正歯科中に虫歯を治そうとすると、矯正装置を取り外す必要があったり、矯正が長引いたりと不都合が多いです。
矯正歯科を受ける前は必ず診察を受け、軽度の虫歯でもしっかり完治させておきましょう。
矯正歯科中の虫歯が心配なら、クリアアライナーという選択肢も
クリアライナーとは、透明なマウスピースを用いて歯並びを改善する治療方法のことです。
矯正をしつつも、歯磨き時は取り外すことができるので、通常時と同じレベルで歯磨きができます。
矯正歯科中でも、虫歯のリスクが高まりにくいのが魅力です。
ただしクリアライナーは矯正力が弱いので、歯並びが悪すぎると適用できない場合もあります。
クリアライナーを実施するかどうかは、歯科医師と相談のうえ決めましょう。
まとめ
矯正歯科中に虫歯になりやすいのは事実です。
とは言え歯並びの改善も後回しにはできないので、虫歯予防を今まで以上に徹底することが求められます。
本記事で紹介した虫歯予防法を実施しつつ、矯正を進めましょう。