近年様々なメディアを通じて「早めの歯周病対策を!」といったメッセージが発信されていますね。子どもの虫歯も減っていますし、歯への意識は確実に高まっています。
しかし歯周病を予防するためには、歯磨きや定期健診だけでは不十分ということを知っていますか?
本記事では、歯周病を予防するための習慣について解説していきます。
どれも簡単な方法で、今日からでも実践できますので、ぜひ日頃の歯周病予防に取り入れてみてください。
実は怖い、歯周病のリスクとは?
歯周病とは、歯の周りの細菌感染が引き起こす病気の総称です。細菌が歯と歯肉の境目を壊し、歯を支える土台が劣化していくというのが歯周病の進行過程です。
歯を支える土台が劣化するということは、すなわち歯がグラグラになっていくということ。歯周病の進行が進むと、最終的に抜歯をせざるを得なくなる可能性があります。
また歯周病菌は血管を通し、体内へも蔓延していきます。歯周病の人は心筋梗塞や脳梗塞になりやすいという研究報告もあり、注意が必要な病気です。
歯周病を予防するための7つの習慣
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。プラークが歯の周りに定着することで、細菌感染が進みやすくなります。
しかし歯垢の定着を含め、歯周病は日頃からの習慣で予防することが可能です。毎日の歯磨きや健診に加え、生活習慣も見直すと予防の効果は格段に上がります。
現在虫歯がない人も油断せず、以下で紹介するポイントをチェックしてみてください。
正しい方法・頻度での歯磨き
歯磨きをしない人はいないと思いますが、「磨き方」と「頻度」が重要です。正しい歯磨きは歯垢の定着を防ぎ虫歯だけでなく、歯周病予防にもなるのです。
効果的な歯磨きのポイントは下記の4つです。
ポイント
- 歯ブラシは「やわかめ」を選ぶ。
- 歯ブラシの毛先を、歯と歯ぐきの境目に向けて45°の角度で立てる。
- 軽い力で1〜2歯ずつ、1〜2ミリ幅間隔で小刻みに磨く。
- 食べたら40分以内に歯磨きをする。
歯間ブラシやデンタルフロスによる歯磨きの補助
歯ブラシの毛先が行き渡らない歯と歯の間には、当然歯垢が溜まりやすく、そこから歯周病に発展するリスクも十分にあります。歯間ブラシやデンタルフロスで食べカスを歯に残さないことが、更なる歯周病予防へと繋がります。
いちいち歯間ブラシやデンタルフロスを使うのが面倒くさいと思う人もいるかもしれませんが、習慣にする努力が大切です。
健康的な食生活
歯や歯茎は、食生活次第で強くもなるし弱くもなります。栄養の偏った食事は歯周組織の抵抗力を弱めるため、歯周病の原因の1つです。
特にインスタント食品が多い人や自分の好きな物しか食べないという人は、日頃から栄養が偏っている可能性が高いので要注意。食事は栄養のバランスを考え、自炊を増やしたり野菜を摂ることを心掛けているようにしましょう。
よく噛んで食べる
よく噛むことは、歯や歯茎を強くします。加えて、口にした物からの栄養吸収率を高める効果も。普段からよく噛んで食事をしていれば、それが自然と歯周病予防に繋がります。
とはいえ、よく噛むことを意識するのもなかなか難しいもの。ゴボウやレンコンといった繊維質の野菜やフランスパンなど、硬めの食品を食卓に取り入れるのも効果的です。
タバコを吸わない
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、体全体の血流を悪くします。体全体の血流が悪くなれば、当然歯茎への血流も悪くなるので、結果として歯周組織の抵抗力を弱めます。
ストレスを溜めない
ストレスは体の抵抗力を弱めます。歯や歯茎も例外ではなく、ストレスは歯周病菌への抵抗力を弱める原因と言えます。加えてストレスが溜まっている時は、食生活が乱れたり喫煙が増えたりもしがち。簡単なことではありませんが、できるだけストレスは溜めないようにしましょう。
定期的な健診
健診で歯医者さんに歯の健康状態をチェックしてもらえば、歯周病の前段階の予兆もを発見できます。「予防歯科」という考え方で、CMなどで耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
また歯垢が口の中に残っていると、やがて歯石と呼ばれる磨いても取れない塊へと変化し、口内へ毒素を排出し続けます。健診に行けば、このの除去も実施してもらえます。歯石は歯周病のリスクを高める原因でもあるため、定期的な除去は非常に効果的です。
健診時に次回予約をして帰るようにすると、電話予約をする手間がなく継続しやすいですよ。
まとめ
歯周病は恐ろしい病気ですが、日頃の生活習慣で予防ができます。本記事で紹介した内容は毎日継続することが大切ですが、もし挫折してしまっても何もしないよりはマシ。生涯健康的な歯を保つために、まずは始めてみましょう。